黒毛和種肥育素牛育成期における稲発酵粗飼料給与技術の確立
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概要
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近年、作付け面積が増加している、館料用稲を黒毛和種肥育素牛育成牛に給与する場合の給与法、牛生体への影響について把握する目的で、切断長の異なる稲発酵粗飼料(以下稲WCS)の給与が増体、血液性状に与える影響について(試験1)、また、収穫時期・調製法の異なる稲WCSの給与が増体、血液性状に与える影響について(試験2) 換討した。試験1では、黄熟期・ダイレクト処理形態で調製した稲WCSを15cm区、2cm区に分け給与試験を行った。両区とも嗜好性は良く、給与期間中の増体においては切断長15cm区で1.1±0.2kg、2cm区で1.0±0.2kg、2cm区で1.0±0.2kgと両区における差は認められなかった。稲WCSが原因と考えられる下痢や籾の排泄も認められなかった。また、血液生化学性状においては、殆どが正常範囲内で推移したが、肝機能を示す値で数頭正常範囲を超える個体が見られた。血漿中ビタミンA及びEの測定では、給与開始前に比べ終了時に上昇する傾向にあり、特に切断長2cm区でビタミンAの濃度上昇が顕著であった。試験2では、乳熟期・予乾処理形態で調製した稲WCSを給与した。水分・籾含量が少なく、嗜好性においては、試験1で用いた稲WCSに比べ非常に良好であった。給与期間中の増体においても日増体量が1.1±0.1kgと良好であった。また、給与期間中の血液生化学性状も正常範囲内で、血漿中ビタミンA・E濃度の上昇は緩やかであった。
- 秋田県農林水産技術センター畜産試験場の論文
秋田県農林水産技術センター畜産試験場 | 論文
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