油蚕
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概要
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カイコの突然変異体は,これまでに260余りの遺伝子座について見つかっており,遺伝学を始めとして様々な研究の対象となってきた(伴野,2008).その中でも,幼虫皮膚が透明になる油蚕(あぶらこ)の遺伝子は30以上の遺伝子座について見つかっており,実に全突然変異遺伝子座の1割を占めている.その中には,卵色や幼虫体型など多面的な形質発現を示すものや,透明な部分と不透明な部分とがモザイク状になる斑油(まだらあぶら)など,多様な表現型を示すものがある.また,正常個体で幼虫皮膚を白色不透明にする尿酸については,単なる窒素老廃物としての役割以外に抗酸化作用が示唆されている(Hilliker et al.,1992;Matsuo and Ishikawa,1999).このようなことから,尿酸代謝の研究において,油蚕をモデル系として利用することが期待される.近年は,カイコゲノム解析の進展に伴い,多くの油蚕遺伝子の同定が進められ,尿酸代謝・蓄積の全体像の埋解が深まることが期待されている(International Silkworm Genome Consortium,2008).今回の特集では,最近の成果を中心に油蚕研究の現状と今後の展望について概括する.
- 日本蚕糸学会の論文
- 2011-08-00
日本蚕糸学会 | 論文
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