桧山地方における海岸生イタヤカエデ林の林分構造と更新
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
北海道桧山地方上ノ国町に成立する海岸生イタヤカエデ林の分布と林分構造及び更新動態を検討した。イタヤカエデは海岸段丘、海食崖に小面積の純林状林分を形成し、研究対象地における海岸林面積の48.8%を占めていた。調査した3林分の上層高は、8.3~10.8mで、胸高断面積合計は23.42~30.31m2/haであった。全ての林分でイタヤカエデが胸高断面積率99%以上を占め、中~下層の発達しない一斉林型を呈した。全上木に占める萌芽由来幹の割合は64.5~84.6%と高かった。林床には大型草本やササ類が密生し稚樹は少なかった。樹齢階別頻度分布における単幹の分布は一山型に近く、萌芽由来幹のピークとほぼ一致したが、萌芽由来幹は単幹に比べ広い樹齢階に分布していた。更新は不連続で、機会的に生じた実生更新とほぼ同時に生じかつ持続的な萌芽更新によって林分が維持されてきたと考えられた。
- 北海道大学北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーションの論文
- 2010-10-00
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション | 論文
- 野生動物の生息環境としての針葉樹人工林の質的改善に関する研究--間伐遅れ林分の再生と野生動物との共存方法の開発
- 航空機LIDARによる森林の計測
- 苫小牧研究林における林床植生調査のための資料の作成--中間報告
- 2004年18号台風の苫小牧研究林における被害と今後の課題
- 苫小牧研究林における新しい研究の取り組みと技術サポートのあり方