乳牛へのDHAカルシウム塩投与が生乳に与える影響(第2報)
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概要
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付加価値の高い生乳生産を図るために、ドコサヘキサエン酸カルシウム塩(DHA-Ca塩)を乳牛に投与して生乳への移行等について調査をし、差別化商品生産の可能性について検討した。1)分娩直後からDHA-Ca塩を1頭あたり100g、26週間毎日連続投与した(試験1)結果、生乳中に分娩直後はDHAは認められなかったが、分娩後3週目に総脂肪酸中0.11%認められ、その後6週目から26週目まで0.12-0.18%の範囲で横這いの推移を示し、投与終了後の28週目には認められなかった。2)試験1の結果、投与牛の血漿中総コレステロール濃度は、分娩後、上昇の推移をたどり、18週目以降、正常範囲を超えて推移し、22週目に最高値197mg/dlに達した。血漿中総脂質についても分娩18週後から上限を超えて推移し、22週後以降、大幅に高くなった。3)分娩1ヵ月後からDHA-Ca塩を1頭当たり200g 、24週間毎日連続投与した(試験2)結果、投与2週後に生乳中総脂肪酸中のDHAが0.2%で認められ、その後、上昇し、20週後に0.47%で最高値に達した。投与終了後には総脂肪酸中にDHAは認められなかった。4)試験2の結果、投与牛の血漿中総コレステロール濃度は、投与開始後から上昇の推移をたどり、24週後に227mg/dlで最高値に達し、投与終了後に低下した。5)試験1および試験2において前報と同様に、DHA-Ca塩投与終了後に乳脂率、体重およひボディ・コンディション・スコア(BCS)が上昇する傾向が認められた。
- 石川県畜産総合センターの論文
- 2005-03-00
石川県畜産総合センター | 論文
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