高温および中温乾燥したスギ心持ち正角材の含水率頻度分布
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概要
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高温乾燥は乾燥時間の短縮と割れ抑制に対して効果を発揮するため、心持ち正角材の有効的な人工乾燥方法として今後期待できると考えられる。しかし、初期含水率のばらつきの範囲が広いスギ材を高温乾燥した時の、仕上がり含水率の個体分布を100℃以下の乾燥と比較した事例は見られない。人工乾燥後の仕上がり含水率のばらつきは、乾燥材の品質管理及び構造材としての信頼性の向上を阻害する原因にもなる。本研究では高温乾燥がスギ正角材の仕上がり含水率の個体分布に及ぼす影響の検討を目的として、マッチングした材を乾燥温度110℃、85℃、75℃で処理した時の仕上がり含水率の出現頻度分布を比較した。その結果、高温乾燥の個体分布は100℃以下の乾燥と比較してばらつきの差はないが、出現率のヒストグラムは低含水率側に歪む結果になった。このことから、高温乾燥前には初期含水率で、選別処理を行う必要があり、またその際の選別基準は100℃以下の乾燥と異なることが示された。さらに、仕上がり含水率と心材率の関係の検討を行った。
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