天蚕繭層の2,3種類の理化学的性状
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概要
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1.天蚕繭層の遊離ニンヒドリン陽性物質はアンモニア,システイン酸,プロリン,グルタミン酸が多く,5μg/g以上の値を示し,つぎにアルギニン,アラニン,リジンが比較的多量に検出された。しかし合計量についてみると家蚕繭層のそれより著しく少なかった。2.繭層練減率は24~29%の値を示したが,飼料条件との間に一定の傾向はみられなかった。しかし産地,飼育年による差異は大きかった。また繭柄部分の練減率は繭層より高いことが認められた。3.繭層水分率は8~9%であり,飼料条件による差異は少なかった。4.繭層灰分率は5~7%であったが,人工飼料育によって得られた繭量は生葉育の場合より低いことが認められた。5.繭層溶解度は繭層を1年間保存しておいた区は営繭直後の区より高い値を示し,セリシンの溶解速度が速い事が認められた。
- 農林省蠶絲試驗場の論文