農地における生物多様性への取り組みの実施状況と課題
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概要
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英国は国土の77%が農業用に利用されており、その比率は欧州連合(EU)の中でも特に高い。そのため農地もまた動植物の貴重な生息地であり、農地での生物多様性を高める取組が積極的に行われてきている。現在、イングランドではこのような目的に沿って農業環境政策の諸制度が「環境スチュワードシップ(管理)制度」(以下ES制度とする)に統合されてきている。ES制度は2005年より施行され、2009年7月にはイングランド全農用地の54.7%を占めるに到った。また、EUの共通農業政策(CAP)には、市場介入と直接支払などに係る「第1の柱」と農村振興政策に係る「第2の柱」に分けられるが、さらに後者の第2軸「環境及び農村空間の改善」に位置づけられるES制度は、イングランド農村振興政策予算の81%を占める。本報告では、農業環境保全に影響を与えるES制度について、現地調査を踏まえ、特に耕地に関連するオプションに焦点を当てながら、EU規則と関連付けつつ取り組みの仕組み、その現状および課題を明らかにする。
- 九州大学大学院農学研究院の論文
- 2010-10-00
九州大学大学院農学研究院 | 論文
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