生体蛍光標識による感染初期段階の内部寄生性植物線虫の植物組織内観察
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概要
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内部寄生性植物線虫の感染初期の研究は重要であるが、寄主植物根内の線虫を生きたまま観察できないことが障害となっていた。そこで、二酢酸フルオレセイン（FDA）の0.001％溶液を用い、生きたネコブセンチュウとネグサレセンチュウを蛍光標識して、非破壊的な蛍光観察を行った。その結果、FDAで処理したネコブセンチュウは生物活性を保っており、寄主のトマト根内で感染場所が検出できることが示された。実験系として用いたシロイヌナズナでは、寄主植物根の中に侵入した線虫を落射蛍光顕微鏡下で直接観察することができ、FDA由来の蛍光が処理後少なくとも4日間検出された。FDAで処理したネグサレセンチュウも容易に寄主植物に感染したが、ネグサレセンチユウは検出可能な自己蛍光を示したため、非破壊的な検出のためのFDA処理は必要ないことが分かった。この報告は、線虫感染の初期段階において、高度な時空間分析に基づく非破壊的解析が可能であることを実証した。
- 日本線虫学会の論文
- 2010-07-00
日本線虫学会 | 論文
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