施設栽培圃場における土壌水分環境の違いと中型土壌動物相の多様性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本報では土壌動物相の多様性を利用した畑地の環境評価の一助として施設栽培環境下の中型土壌動物の多様性について調査を行い、土壌の水分環境の違いと中型土壌動物相との関連性について考察した。その結果多様度指数においてはSimpsonの多様度指数(1/λ)、Fisherの多様度指数(α+1)とも点滴灌漑の節水区が最も高く、次いで点滴灌漑の中間区、多孔管灌漑区、点滴灌漑の標準区の順となった。多孔管灌漑区では点滴灌漑の各区に比べて団粒が少なく、中型土壌動物の住処となる土壌間隙が少なかったためと推察された。各試験区の観測回ごとのSimpsonの多様度指数とFisherの多様度指数の関係から、点滴灌漑区ではFishierの多様度指数の変動よりSimpsonの多様度指数の変動が大きいことがわかった。中型土壌動物の個体数が最も多かった点滴灌漑の標準区と最も少なかった多孔管灌漑区とではSimpsonの多様度指数とFisherの多様度指数の差が小さくなった。多孔菅灌漑区と点滴灌漑の標準区の体積含水率が比較的安定していたことから、土壌の体積含水率の安定は土壌動物相の多様度の安定に寄与するが、個体数や種数の多少とは必ずしも関係がないと考えられた。
- 東京農業大学の論文
- 2010-06-00
東京農業大学 | 論文
- 軟質FRPライニング工法による開水路の粗度係数
- 荷傷みを考慮した農道舗装の路面性状評価手法に関する研究
- 自己補修型コンクリートに関する基礎的研究
- セミホット型アスファルト混合物の農道への適用に関する研究
- FWDによるコンクリート舗装の構造評価に関する研究