渓流魚における個体群分断に起因する弱有害遺伝子の蓄積による適応度低下に関する理論的研究
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概要
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渓流魚におけるダムや遡上阻害物による棲息地分断は上流から下流へは移動できるが下流から上流への移動を制限する。そのような偏った移動の原因となる分断が、そこに棲息する生物において、上流で固定した弱有害遺伝子が下流全体に広がる事によって固定して適応度低下を生むか、数値シミュレーションを用いて解析した。その結果、上流から下流への一方的な流下が起こる場合、上流での弱有害遺伝子の固定による悪影響は上流だけにとどまらず、遡上障害物の上下流2個体群両方に広がり、上下流2個体群の適応度は下流にどれだけ大きな個体群が存在していても、上流に単一の個体群がある場合と同程度にまで減少することが分かった。更に、この適応度低下が下流から上流への人為的な運搬によってどの程度防げるかを検討し、たとえ小規模、小頻度の運搬であっても、集団の分断が起こっていない場合と同程度までリスクが減らせるほど効果が高いことを示した。このことから、遡上阻害物による分断で上流部に小集団が生まれた場合、下流から上流への人為的な運搬や、魚道の設置が望まれる。
- 東京農業大学の論文
- 2010-06-00
東京農業大学 | 論文
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