肥効調節型肥料全量基肥施用の水稲主要品種に対する適応性と効果的利用法
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概要
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山口県における水稲主要品種の生育と、緩効性肥料による速効割合や窒素施用量の関係を解析した。速効性窒素の割合が異なる緩効性肥料を供試したところ、平坦部における「ひとめぼれ」と山間部における「コシヒカリ」 および「晴るる」の早生品種に対しては、速効割合が高い場合には籾数が多くなるが、登熟が劣る。速効割合が低い場合には、分施区体系と比べてm2当り籾数、登熟歩合および千粒重がほぼ同じとなり、いずれも収量が同等となる。「ヒノヒカリ」で緩効性肥料を用いた場合には、速効性窒素の割合にかかわらず籾数が分施体系よりも多くなるが、籾数が多いことと登熟期の窒素供給が少ないため、登熟が劣って減収する。速効割合が低いタイプの肥料では登熟の維持に若干効果がある。化成肥料の分施体系と同等の収量を確保するために必要な窒素施用量は、早生品種では分施体系の20%から40%の削減が可能だが、中生品種では減肥すると登熟が悪化する懸念があるため、同量が必要である。
- 山口県農林総合技術センターの論文
- 2010-03-00
山口県農林総合技術センター | 論文
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