モルフォメトリーによる網走湖産ワカサギの湖内残留型と遡河回遊型個体の判別
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概要
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1.湖内残留型と遡河回遊型の生活史多型を持つ網走湖産ワカサギの形態形質を用いて多変量解析を行い、2群の判別を試みた。2.主成分分析により、両群の形態的差異の特徴に与える測定部位の寄与率を検討した。この結果、体長や吻端-尾鰭基底間の長さなど魚体の長さ・肥満度などのサイズに関わる形質の主成分得点が高かった。3.体長・肥満度・体高・体幅・眼径・両眼間隔・尾柄高・吻端腹鰭基点長・腹鰭尾鰭基点長の10形質を用いて線形判別分析を行った。この結果、95%程度の高い確率で湖内残留型個体と遡河回遊型個体への判別が可能であった。4.湖内残留群と遡河回遊群の形態差は、それぞれの成長過程の違いによる影響が大きいと考えられ、その要因として、動物プランクトン食性を持つ湖内残留群と動物プランクトンの他に底生甲殻類なども捕食する遡河回遊群の食性の違いが考えられた。
- 2008-03-00
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