耕作地におけるオオバコ(Plantago asiatica L.)の定着に及ぼす引抜き・覆土の影響
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概要
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オオバコは畦畔および農道では旺盛に繁殖するが、耕起地では繁茂しないことが知られている。その要因を解明するため、オオバコおよび比較植物としてメヒシバ、オヒシバおよびスベリヒユを用いて、耕耘を想定した引抜き、埋没処理に対する再生反応、および耕耘後の種子再生産能力推定のための播種期別生殖成長到達日数について検討した。実験1として、3および5葉期の個体を引抜き後、あるいは引抜かずに、それらの個体を深さ2および6cmに土壌で埋没した。対照区には、引抜きおよび埋没をしない区を当てた。その結果、6cmの埋没区においては、引抜きの有無、処理の時期にかかわらず4種とも全く再生しなかったが、2cmの埋没区では、再生程度に著しい種間差があった。オオバコでは無引抜き区において、対照区の3%(3葉期処理)〜17%(5葉期処理)、スベリヒユでは引抜き区で3%(3葉期処理)〜27%(5葉期処理)、無引抜き区で13%(3葉期処理)〜27%(5葉期処理)、メヒシバでは引抜き区および無引抜き区それぞれ3%(3葉期処理)〜7%および20%(5葉期処理)、オヒシバでは5葉期の引抜き区のみ3%が再生した。再生個体の草丈は、オオバコにおいて劣った。実験2として、5〜7月に播種したところ、7月播種のオオバコのみ当年内には生殖成長に至らなかった。以上のように、オオバコ個体は耕耘時に土壌から引抜かれ、土壌中に埋没されると全く再生できず、引抜かれなくても土壌埋没によって再生が劣り、草丈も低く、さらに、季節的に遅く出芽した個体では種子生産が当年内に行われず、耕地において生活環の完結が困難になるものと推察された。
- 東京農業大学の論文
- 2009-12-00
東京農業大学 | 論文
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