ホンシメジおよびシャカシメジ培地の林地埋設事例
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概要
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近年、ホンシメジを始めとする菌根性キノコの多くは、その発生環境の悪化により発生量が減少している。発生量が減少する原因は、腐植層が厚く堆積して土壌が過度に富栄養化したことなどが指摘されている。発生量の減少を食い止めるためには、子実体の発生に適した条件を把握するとともに、人為的に発生させる技術の開発が必要である。ホンシメジはアカマツやコナラと共生する外生菌根菌で、我が国に広く分布する代表的な食用キノコである。林地でホンシメジを発生させる研究は、樹木の整理伐、落葉腐植層の除去、焚き火などの林内環境整備作業や、胞子散布や感染苗木の植栽、培地の埋設などの林地接種が実施されている。このうち、培地の埋設はキノコ発生事例がいくつか報告されており、現時点では子実体を人為的に発生させる最も効果的な方法と考えられる。しかし、培地を埋設した後の子実体発生を長期的かつ継続的に観察した事例が少ないために、その効果が十分に解明されているとは言えない。このため、種々の条件下で培地を埋設し、埋設後の子実体発生を長期的かつ継続的に観察して、確実かつ継続的に発生させる条件を把握することが必要である。シャカシメジは、ホンシメジと同様に我が国に広く分布する代表的な食用キノコで、アカマツやコナラなどの混生林に発生する外生菌根菌である。しかし、ホンシメジとは異なり、林地への培地埋設などによってキノコが発生した報告はないため、子実体発生技術の開発が必要である。そこで、岐阜県内のアカマツやコナラが混生する林地5ヶ所にホンシメジとシャカシメジの培地を埋設し、埋設後の子実体発生の有無、あるいは埋設した培地の状況について調査した結果を報告する。
- 岐阜県森林研究所の論文
- 2009-03-00
岐阜県森林研究所 | 論文
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