高圧処理によるノロウイルスとネコカリシウイルスの不活化効果の比較
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概要
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食中毒原因物質として問題となっているノロウイルス(NV)とその実験代替ウイルスとして頻用されているネコカリシウイルス(FCV)に対する高圧処理による不活化効果を比較した。1)ウイルス単体に対しては、FCVでは600MPaで処理時間依存的にウイルス遺伝子数が減少し、10分間で1.9logの減少が確認されたのに対し、NVでは20分間処理までウイルス遺伝子数の減少は認められなかった。またFCVでは5分間処理でウイルスの感染価は失われた。2)マガキ体内に取り込ませたウイルスでも同様に、FCVでは600〜700MPaで処理時間依存的にウイルス遺伝子数が減少し、10分で3.3logの減少が確認されたのに対し、NVでは20分間処理までウイルス遺伝子数の減少は認められなかった。また、処理後48時間冷蔵保存した場合でも遺伝子数の減少は認められず、ウイルスRNAが比較的安定な状態を維持していることが確認された。3)NVとFCVの高圧耐性が異なることが明らかとなった。今後、カキ体内からのNV不活化を目的とした検討を行う際には、NVそのものを用いる必要性が示唆された。
- 宮城県水産研究開発センターの論文
- 2009-03-00
宮城県水産研究開発センター | 論文
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