夏季の石狩川水系および河口周辺におけるシラウオ仔稚魚の分布と摂餌
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概要
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夏季の石狩川周辺水域の三日月湖と河口および沿岸域において、シラウオ仔稚魚の分布と食性、餌環境を調査した。本水域のシラウオ仔稚魚は、三日月湖では枝角類Diaphanosoma brachyurumを、河口・沿岸域ではカイアシ類(Paracalauns parvus. Pseudodiaptomus marinus、etc.)を主に摂餌していることが明らかになった。環境中の動物プランクトンを調べた結果、三日月湖では沿岸河口域では出現しない淡水性枝角類が多かったが、河口沿岸域では枝角類やカイアシ類の密度は低かった。夏季の三日月湖では枝角類が増加していることから、シラウオ仔稚魚の索餌場としては、沿岸河口域に比べ三日月湖が優れていると推定された。このことが、日本周辺の他水域では見られない三日月湖への遡上という回遊パターンの発達に結びついたと考えられる。
- 2009-03-00
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