乳牛へのDHAカルシウム塩給与が生乳に与える影響(第1報)
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概要
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付加価値の高い生乳生産を図るために、ドコサヘキサエン酸カルシウム塩(DHA-Ca塩)を乳牛に投与して生乳への移行等について調査をし、差別化商品生産の可能性について検討した。1)生乳中におけるドコサヘキサエン酸(DHA)は投与前にわずかに認められ、投与3週目に総脂肪酸中の含有率は最高値(0.73%)を示し、その後漸減し、投与終了後、急激に低下したが、投与終了3週後においても投与前の水準よりも高い値を示した。エイコサペンタエン酸(EPA)は3週目に最高値(総脂肪酸中0.9%)を示し、その後DHAと同様の推移を示した。2)血漿中においては、DHA、EPAともに、投与中に急激に含有率が上昇し、それぞれ6週後、5週後に最高値を示し、その後低下したが、終了後3週明においても投与前の水準よりもかなり高い値を示した。3)乳量については、投与前から投与中にかけて増加し、終了後に低下した。乳質については、乳脂肪量は投与前から投与中にかけてほぼ一定であったが、6週目から投与後にかけて高く推移した。乳糖量は、投与前から投与中にかけて上昇の推移を示し、投与終了後次第に減少した。乳蛋白質量については、投与前から投与中にかけて上昇の推移を示し、終了後も高く推移した。4)乾物摂取量については、粗飼料、濃厚飼料ともほぼ一定量で推移した。DHA-Ca塩投与終了後に体重とボディ・コンディション・スコア(BCS)が上昇する傾向がみられた。5)血漿生化学的症状においては、総脂質、総コレステロール濃度は投与前の2倍以上にまで高くなった。中性脂肪及びアポ蛋白B-100濃度は給与前に比べ投与中は低下した。
- 石川県畜産総合センターの論文
- 1999-09-00
石川県畜産総合センター | 論文
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