北海道東部の中規模河川庶路川における魚類の流程分布と魚類相の変遷
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概要
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北海道の河川を取り巻く環境は1900年代後半以降大きく変化し、自然環境が比較的保たれていると考えられている北海道東部の太平洋沿岸地方も例外ではない。環境変化の要因としては、森林伐採による集水域環境の変化、鉱工業や農業加工業の発達による汚濁水の流入、生活排水の流入、ダム建設、河川改修が挙げられる。これらは人間活動が河川に直接与えた負荷と考えられ、生息する魚類に大きな影響を与える。さらに近年では人間が持ち込んだ生物が与える影響も考えられる。北海道東部の河川における過去の魚類相の調査結果は少なく知見は断片的であるが、多くの河川において上記の人為的影響により魚類相が変化してきた可能性がある。北海道の東部地方には生活史の過半あるいは全部を河川内で送るサケ科魚類としてサクラマス、アメマス、オショロコマ、イトウの在来4種に加え、ニジマス、カワマス、ブラウントラウトが分布する。これらのうち、生態的特性の類似する在来種であるアメマス、サクラマス、オショロコマについては資源分割や流程分布等の研究が北海道内各地で行われてきた。なかでも、サクラマスは漁獲対象資源としても重要であり、資源培養を目的とした研究や人工種苗放流が日本各地で行われてきたが、北海道東部の太平洋沿岸では日本海沿岸に比較してサクラマスの漁業価値が低いこともあって人工種苗放流はほとんど行われてきていない。したがって、アメマス、サクラマス等はほぼ天然魚であると考えられる。
- 2009-04-00
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