多摩川中流域における河川敷植生の復元についての研究
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概要
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多摩川は山梨県笠取山を源流とし、東京都西部から東京都と神奈川県の境界を流下して東京湾に流れ込む一級河川である。現在、多摩川河川敷における在来の植物種および植物群落は、生育地の減少や河川本来のダイナミズムの変化に伴って、外来種の急速な拡大、ハリエンジュに代表される樹木の侵入による高水敷の樹林化など、多くの問題により危機にさらされている。多摩川は都市河川であり、過去と同様の河川が変動する状態に戻すことは社会的に難しい。このような状況の中、2000年に多摩川中流域の東京都あきる野市草花地区の多摩川右岸（以下：永田地区という）において、国土交通省京浜河川事務所と河川生態学術研究会多摩川グループの協働作業により礫河原を人工的に作るという実験が行われた。礫河原を造成により再生しようという試みは、現在、いくつかの河川で行われているが、多摩川での試みは先駆的なものであった。礫河原の植生が置かれている危機的な状況を見ると、今後植生復元の必要性はより高まってくることが予想される。より自然状態に近い礫河原環境を創出していくための知見を得るために、われわれは永田地区において造成礫河原の植生のモニタリングを続けている。本論では造成礫河原に再生した植生と立地環境条件の関係から、礫河原植生を再生するために必要な条件を検討した。
- 水利科学研究所の論文
- 2009-04-00
水利科学研究所 | 論文
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