酪農経営におけるトウモロコシサイレージ多給技術の導入効果
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概要
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2006年末から2008年にかけて、原油高、トウモロコシのバイオエタノール化等の影響を受け、配合飼料価格は高騰した。これによって北海道の酪農経営では、所得が低下し、経営条件がいっそう厳しくなった。2008年後半より原油価格、穀物価格の下落の影響を受け、配合飼料価格が2009年より低下することとなっているが、将来、経済の情勢によっては再び高騰傾向を示すことも有り得る。このような情勢の中、価格の変動の影響を緩和し、酪農経営の所得を安定的に確保するためには、飼料自給率の向上が重要となる。その手段の一つとして、北海道農業研究センターで現在開発しているトウモロコシサイレージ多給技術の導入がある。本稿では、トウモロコシサイレージ多給技術の導入について、効果を明らかにした上で、経産牛飼養頭数、確保可能な所得の上限を、線形計画法で策定した経営計画モデルを用いて検討を行う。第一に、トウモロコシサイレージ多給技術の導入効果について、飼料自給率、所得および配合飼料価格変動の影響を、慣行の給与と比較しながら明らかにする。第二に、圃場作業を支援組織へ委託しないことを前提に、トウモロコシサイレージの多給技術を導入した場合の経産牛飼養頭数、所得の上限を明らかにする。第三に、圃場作業を支援組織へ委託した場合、上限となった経産牛飼養頭数、所得がどこまで緩和されるかについて検討を行う。
- 2009-03-00
著者
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