硫黄-カルシウム資材および独立栄養細菌を用いた脱窒法(SLAD法)による畜舎排水中の硝酸性窒素除去効果
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概要
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硫黄とカルシウムを含む脱窒用資材および独立栄養細菌を用いた脱窒法(SLAD法)は、低コストで管理が容易な方法であることから、放流される畜舎排水中の硝酸性窒素類濃度を一律排水基準値100mg/L以下にするために有効な方法であると考えられる。そこで、一年を通じ一律排水基準を達成できる処理条件を明らかにするために、水温や浮遊物質(SS)等が脱窒能力に及ぼす影響について検討した。また、コストに大きく係る脱窒用資材の消費量についても併せて検討した。その結果、SLAD法により、畜舎排水中の硝酸性窒素濃度を、SSによる脱窒能力低下を防ぎつつ、100mg/L以下にできる条件は、脱窒用資材の見かけ容積当りの水理学的滞留時間(HRT:容積/時間流入量)を12時間とした流入水循環機能を有する脱窒槽を用い、処理前の上限濃度は、水温20℃以上では615mg/L、水温15℃前後では320mg/L、水温10℃未満では220mg/L程度であると考えられた。また、脱窒用資材は除去窒素1kg当り硫黄として約2.5kg消費されると考えられた。設備規模は脱窒能力の低下する水温10℃時を基準として決定するが、脱窒用資材の過消費を防ぐため、脱窒能力の高い高水温時には脱窒槽の縮小等の対策が必要と考えられた。
- 2009-03-00
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