蚕糸昆虫研究におけるBT研究の歴史について
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概要
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Bacillus thuringiensis(Bt)は1901年にわが国の石渡繁胤によって、カイコに卒倒病を引き起こす病原細菌として、世界に先駆けて報告された。しかしながら、論文が日本語で書かれていたこと、新種の微生物として記載を行わなかったことから、注目を集めなかった。1911年にはBerlinerがドイツのThuringiaの地で、ノシメマダラメイガの斃死幼虫から分離した昆虫病原細菌を、発見地にちなみBacillus thuringiensisをいう学名を与えた。日本国内とりわけ蚕糸昆虫研究者の間では、B. thuringiensisがわが国の石渡によって発見されたsotto菌であることは知られていたが、世界においてこの菌の発見者が石渡であると認識されるようになったのは、その後約半世紀近く経ってからだった。Bt研究については、石渡が本菌の発見者であることからも分かるように、これまでの最先端の研究がわが国の蚕糸昆虫研究者によってなされてきた。ここでは、蚕糸昆虫研究におけるB. thuringiensis研究の歴史と今後の研究について、本特集でとりあげた最近の研究を含め紹介したい。
- 日本蚕糸学会の論文
- 2008-12-00
日本蚕糸学会 | 論文
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