遠赤外線を利用した薄層流式液体殺菌装置の開発
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概要
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牛乳をはじめとする液状食品の加熱殺菌には、プレート型やチューブ型の熱交換器を使用した殺菌装置が使用されることが多い。これらの熱交換器においては、蒸気や熱水などの熱源から薄いステンレスを介して液状食品に熱が伝えられる。その際、熱源と接しているステンレスは高温になり、高温になったステンレス面に液状食品が接触してタンパク汚れやスケールの原因となる。この伝熱面の汚れの洗浄が不十分であると、微生物汚染の原因となったり、汚れの剥離による製品への混入など重大な危害を及ぼす。そのため、殺菌装置の洗浄には多くの時間と労力を要するとともに、大量の洗浄液と洗浄水を排出することになる。このような問題を解決するための1つの方策として、本研究では遠赤外線を用いた液状食品用殺菌装置の開発を目的として検討を行った。遠赤外線による加熱は、輻射を利用するため、伝熱面を介さずに食品を直接加熱することができる。そのため、液状食品を流下させながら試料上面から加熱すると、食品の表面が最も高温となり、流路(ステンレス)面の温度を低く保つことができる。その結果、ステンレス面におけるタンパク汚れを低減でき、洗浄も容易になるため環境負荷も低減できると考えられる。本研究では、遠赤外線を利用した液状食品用殺菌装置の開発を目的として検討を行った。
- 日本食品工学会の論文
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