鳥類相からみた野辺山ステーションの自然環境
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概要
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野辺山ステーションの鳥類相について、伊那周辺の調査地と同じ手法で鳥類を調査、比較することにより把握することとした。伊那周辺では大河川の河畔から亜高山帯の森林まで、6地点を選んだ。調査法は植生の開度の記録を加えたラインセンサスとし、各調査地とも繁殖期、越冬期2回ずつ調査した。鳥類相は、優占種としては伊那周辺と類似していたが、水域の鳥類は見られず、平地から亜高山帯の鳥類が混在していた。代表的な鳥類としてはイワツバメ、モズ、カッコウ、ミヤマホオジロなど、伊那周辺で確認記録のない鳥類としてハギマシコ1種が挙げられた。野辺山ステーションの鳥類相と最も関連の強かったのは、標高の異なるますみヶ丘であり、土地利用形態の類似性が原因と考えられた。伊那周辺で認められた植生の開度と鳥類との関係は、野辺山ステーションでは崩れていた。原因として、圧倒的なサイズの群れをつくる鳥類の生息が考えられた。調査結果から、鳥類の多様性の高いエリアとして、水路のある原野2地点が指摘された。
- 信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センターの論文
- 2005-03-00
信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター | 論文
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