中国語と日本語における実現表現の文法的な形
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概要
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本稿は、中国語と日本語の実現表現のテンスとアスペクトにかかわる側面を考察するものである。テンスの側面からみると、日本語の実現表現では、整ったテンス体系を持っている。それに対して、中国語では、テンスに応じて、<実現>をあらわす実現表現のかたちは、一定していないようである。非過去のかたちは、「V+不/得+C」であると言えるが、過去否定の場合、「没(有)+VC」というかたちもあれば、「V+不+C」というかたちも使われている。過去肯定形の場合は、「VC+了」というのもあれば、「V+得+C」もある。また、アスペクトからいえば、日本語の実現表現では、完成相と継続相が対等の対立でないにしても、二つの系列の対立が保たれている点で、アスペクトが形態論的なカテゴリーとして維持されている。それに対して、中国語の可能補語表現では、それ自体、アスペクト的な意味をほのめかしているので、継続をあらわすアスペクト助詞「着」や「正(在)」とは共起しにくく、アスペクト的なカテゴリーを持っていないと考えられる。
- 千葉大学大学院社会文化科学研究科の論文
- 2006-03-15
千葉大学大学院社会文化科学研究科 | 論文
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