アセトアルデヒド脱水素酵素(A1dh)2ノックアウトマウスは低アルコール嗜好性を示す
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概要
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【背景】日本人の約50%はアルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)の遺伝子が欠損している。ALDH2遺伝子多型と飲酒行動、アルコール依存症との関係は、ヒトを対象として疫学手法を用いた多くの研究がなされており、ALDH2酵素欠損者では飲酒量、飲酒頻度ともに低く、同酵素の保持が、アルコール依存症及びアルコール性肝疾患の危険因子となっていることが明らかとなっている。しかし、ALDH2変異型のモデル動物は存在しないため、機序の多くは不明である。我々は独自にA1dh2マウスを作製し、A1dh2 KOマウスのアセトアルデヒド代謝能をin vitroで酵素活性が欠損していることを確認した(Kitagawa et al. 2000)。今回はA1dh2遺伝子型がアルコール嗜好性に影響するかを確認した。【方法】C57BL/6系 A1dh2ノックアウトマウス、C57BL/6系 A1dh2正常マウス10週令雄をそれぞれ15匹使用し、1匹飼い用のケージで自由飲水、自由摂食下に動物センター内で飼育し、24時間毎に体重、摂食量、飲水量、3%エタノール摂取量を測定した。【結果】(1)A1dh2-/-マウスの3%エタノール摂取量は正常型のおよそ1/3量であり、有意に少なかった(p<0.001)。(2)A1dh2-/-マウスは正常型に比べ水分摂取量が有意に多かった(p<0.001)。(3)A1dh2-/-マウスのおよび正常型には、有意な体重差、摂食量の差は認められなかった。【結論】A1dh2欠損型マウスはアルコール嗜好性が小さい。rights: 産業医科大学学会rights: 本文データは学協会の許諾に基づきCiNiiから複製したものであるrelation:isVersionOf: http://ci.nii.ac.jp/naid/110001260197/
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