シラス法面に植栽した植物の生育基盤に依存した生育特性評価
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概要
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1割勾配のシラス切土法面で,植生基材吹付による生育基盤とその基盤厚が樹木生長に及ぼす影響を,施工6年3ヶ月後まで追跡調査した。植生基材の吹付厚は,基盤厚が5cm,7cm,10cm および20cm厚の連続繊維補強土と3cm厚の植生基材からなる連続繊維複合補強土,さらに比較対照として盛土法面の合計5種類の生育基盤を設定した。各生育基盤にそれぞれ8樹種のコンテナ苗を植栽した。施工後2年10ヶ月目に,ほとんどの樹種で生存率70%を超え,生育基盤間に生存率の差は認められなかった。施工後6年3ヶ月目の樹高は,アキグミやネズミモチで,盛土>連続繊維複合補強土>植生基材,ハコネウツギなどで,盛土>連続繊維複合補強土≒植生基材となり,樹種によって傾向が大きく二つに分かれた。つまり,生育基盤の差は,樹種によって樹高生長に異なる影響を及ぼすが,植生基材のみの基盤厚では差は認められなかった。以上のことから,樹種に応じた生育基盤厚の設定が重要であると示唆された。
- 日本緑化工学会の論文
- 2009-00-00
日本緑化工学会 | 論文
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