妊婦健診未受診妊産婦による新生児虐待の回避要件 -虐待傾向のある母親の特徴をふまえて-
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,新生児期における妊婦健診未受診妊産婦(以下では「未受診妊産婦」とする)による出生児虐待の回避要件を明らかにすることである.虐待傾向のある親の特徴を用いて未受診妊産婦の実態に検討を加えた結果,未受診妊産婦は,その類型により程度の差はあっても,すべてが虐待傾向を有していることが明らかになった.新生児期は,出生児の生存の可否が全面的に他者に委ねられていることを勘案すれば,この時期における未受診妊産婦による出生児虐待の回避要件は,未受診妊産婦が出生児の養育をおこなわないことであると判明した.未受診妊産婦が出生児の養育をおこなわないことにより新生児虐待が回避されるということは,子どもの権利保障の観点からとらえると,〈親により養育される権利〉と〈親による虐待から保護される権利〉が対立していることになる.しかし,子どもが〈親により養育される権利〉を享受するためには,その子ども自身が生存していなければならない.したがって,〈親により養育される権利〉よりも,〈親による虐待から保護される権利〉が優先される必要があると考察された.
- 関西福祉大学社会福祉学部研究会の論文
- 2013-03-00
関西福祉大学社会福祉学部研究会 | 論文
- 社協が実施する移送サービスの役割について--医療的ニードのある生徒に対する支援
- 社会福祉協議会における地域福祉活動評価法の構築--構造構成主義に着目して
- 社会福祉協議会における地域福祉活動評価枠組みの構築について--非営利組織評価に基づいて
- 社会福祉士実習教育における学習成果の検証--実習報告書の分析を通して
- 本学[関西福祉大学]新入学生の体力の実態と健康に関する意識調査--2008年度健康体育法受講者を対象として