Current problems and solutions of driver improvement in Japan
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概要
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Considering the recent increasing tendency of traffic accidents in Japan, it seems urgently necessary for us to "improve drivers' behavior" by driver training for future accident reduction. In order to clarify what should be instructed in the training for safe driving, a driver training system was examined. It was pointed out that both beginner drivers and the licensed drivers were not yet adequately trained to be useful as safe drivers in considering especially the situations that beginner drivers are more liable to cause accidents than experienced drivers. It was also pointed out that although it is sure that current system of driver training in Japan is highly extensive and elaborated and contains all important problems, the contents and /or syllabus are absolutely exhaustive and too much jam-packed for drivers, especially for learner drivers, to learn. The desirable content and the way of driver training were discussed and it was emphasized that the training of drivers should be greatly focussed on the drivers' gaining the information needed for driving accurately both in and out of the driving school. A proposal was made that in order to avoid "improper lookout" and "perceptual failures" which are main causes in Japan, it may be desirable to focus driver training on "looking and attending by making a firm temporary stop at the crossings" on the ground of the author's effective model of suppression of accident.わが国の交通事故の漸増傾向を考えると,事故抑止のために緊要なことは,今日においてもなお,運転者教育を通じて「運転者の交通行動の改善をはかること」であるように思われる。では,運転者のための教育においてわれわれは,何を教え,訓練すればよいのだろうか。これを明らかにするために,本稿では運転免許試験制度との関連のもとに,運転免許取得前後のわが国の運転者教育制度に言及しつつ,運転者講習において使用されている若干のカリキュラムおよび講習要綱(シラバス)について検討を行い,つぎのような問題点を指摘した。(1)初心(免許取得後数年)運転者の事故多発傾向を考慮すると,初心運転者は無事故・安全運転を行うに足る適切な教育・訓練を施されてはいないのではないか。(2)現行の運転者教育制度は極めて総合的で,詳細に亘って体系化されており,教育計画と講習用教本等には運転に必要な知識は全て盛り込まれている。しかしその内容や要綱は余りにも網羅的に過ぎるために,それを用いた教育(学科教習等)は,「詰めこみ主義」になっている。そのため運転者,特に初心運転者は安全運転に必要な知識の軽重を識別するのに困難を感じるのではないかと思われれる。以上の考察に基づき,運転者教育に望ましい内容と方法についての検討を行った。そして自動車教習所における教育(免許取得前教育)および免許所得後の教育のいずれの場合にも,そのポイントを「運転者が安全運転に必要な情報を取り入れる能力を体得させること」に絞って行ない,その他の精選された重要事項をこれに関連づけて教えることが極めて望ましいことを強調した。すなわち,事故防止対策としての運転者教育においては,わが国の事故原因のトップを占める「不適切注視」と「知覚不全」という問題行動を排除することが肝要であること,そのためには,特に交差点での一時停止をしっかりと励行し,そうすることによって周囲の状況をはっきりと知覚・注視させる運転者教育が望ましいことを著者自身の「一時停止・確認」研究の成果に基づいて提言した。
- 新潟中央短期大学の論文
- 2001-12-00
著者
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