新宗教における先祖・霊信仰の位相
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概要
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日本社会における先祖祭祀に関する研究の蓄積は社会学,人類学,民族学をはじめとして膨大なものがある。しかしながらそれが推し進められればするほどに,多様な問題が打ち出され,奥の深い問題であり,単一の学問のみでは捉え切れなくなっているのが現状である。ここでは社会構造の変化がどのように先祖観に変化をもたらしているかを考察していく。ところで,先祖祭祀とは社会的に正当と認知された子孫をもった者が,死後その子孫によって祭祀されることにより,その子孫,それを取り巻く集団と死後も係わりをもちつづけるという宗教的観念に基づいて営まれる宗教的儀礼である。すなわち,先祖祭祀の対象となる先祖とは死を契機にするが,死者が全て先祖とみなされていくわけではない。
- 明治大学教養論集刊行会の論文