萩原乙彦研究序説
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概要
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萩原乙彦は、幕末から明治前期にかけての混乱期を生きた戯作者・俳人である。一般によく知られた作者ではないが、音曲史や俳諧史の分野ではこれまでもしばしば語られてきた。しかし、その全体像は十分に把握されているとは言い難い。極く大雑把に言えば、この人物はほぼ三つに分裂している。即ち、戯作者二世梅暮里谷峨(鈴亭谷峨)と俗謡本編纂者二世梅暮里谷峨(歌沢能六斎)、そして、俳人萩原乙彦である(以下、必要な場合以外、乙彦で統一する)。また、その仕事の性質も江戸期と明治期で截然と分かれている。私が、この四分五裂ならぬ二分三裂の人物の仕事を概観してみようと思ったのは、谷峨編『萬国籏鑒』(嘉永七年〈一八五四〉刊)を手に入れたことからだった。
- 明治大学文芸研究会の論文
- 2010-00-00
明治大学文芸研究会 | 論文
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