『温知風俗通』第十一号
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
私はこのところ萩原乙彦について調査をしているが、その俳諧活動を調べている中で、たまたま乙彦編集の俳諧雑誌『温知風俗通』第一一号(明治一六年〈一八八三〉一〇月刊)を手に入れた。本誌はこれまで、国立国会図書館蔵の第四号(明治一五年〈一八八二〉八月刊)が知られるのみである。これに第一一号が存在したことは、乙彦晩年の俳諧活動に聊かの光明を与えてくれる。その点で貴重な資料と言ってよい。明治初期俳壇史における乙彦は、まず俳諧雑誌の編集者として記述されるが、日本における俳諧雑誌として最も早いのは、慶応二年に孤山人卓郎を中心として出された『俳家新聞』(慶応二〜四年<一八六六〜六八>)であった。乙彦がこれを引き継ぎ、名を『俳諧新聞誌』と改めて刊行したのが明治二年(一八六九)。
- 明治大学文芸研究会の論文
- 2011-00-00
明治大学文芸研究会 | 論文
- 『浮雲』論-〈終わり〉の不在-
- 呼応する歌-旅生活における問答歌-
- 乱歩とラン子--江戸川乱歩にみるレヴュー・ガールへの憧憬と拒絶 (特集 演劇)
- 心座と三つの『トラストD・E』-一九二〇年代の演劇にみる<アナーキズムの美学/コミュニズムの政治学>-
- 迷路の奥の--ユートピア物語「[ボク]東奇譚」を歩く (特集 越境と冒険のラプソディー)