外国人専門支援員のニューカマー教育支援に関する一考察
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概要
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1980年代以降、日本の学校にニューカマーの子どもが増え、それに伴い彼/彼女らに対する教育支援が行われるようになった。多様な立場の教育支援者を対象とした研究は蓄積されていった一方で、そのエスニシティについて注意は払われてこなかった。そこで、本稿では、公立小学校の中国にルーツをもつ専門支援員に焦点をあて、彼女が学校に参入していく過程でを描き、彼/彼女らの教育支援の課題と可能性を明らかにする。分析によって明らかになったことは、潜在的に存在していた資源や、集まってきた資源をつなぐポジションに位置する人物がいることがニューカマーの子どもの教育支援をより充実させるということである。つまり、外国にルーツをもつ人が教育支援に関わることによって、学校という「社会的結節点」に集まってきた人たちの「結節点」の役割を担うことができるといえる。しかし、そのようなことは、学校に理解ある他者がいることによって可能になるという点と中国人専門支援員が学校に正規のスタッフとして参入しても日本人と中国人専門支援員の間に存在する権力の非対称の構図は何も変わっていないという点には留意しなければならない。
- 大阪大学大学院人間科学研究科教育学系の論文
大阪大学大学院人間科学研究科教育学系 | 論文
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