口腔内微小奇形に関する臨床統計的研究 : 唇・顎・口蓋裂との関連を含めて
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概要
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唇・顎・口蓋裂と口腔内微小奇形(口蓋垂裂,上顎切歯の異常,舌強直症)との関連性を調査し,本症の発症原因の解明の一助とすることを目的に,当科を受診した唇・顎・口蓋裂患児の母親193名について口腔内微小奇形を,また,一般集団として新潟市内および県内の幼児から成人までの総数8,802名について,粘膜下口蓋裂を含む唇・顎・口蓋裂の頻度および口腔内微小奇形を調査した。その結果,一般集団中における唇・顎・口蓋裂の頻度は0.23%(1:440),このうち,典型的な三徴候を有する粘膜下口蓋裂の頻度は0.034%(1:2,934)で,3.5歳児のみでは0.097%(1:1,027),中学生のみでは0.099%(1:1,010)であった。また,口腔内微小奇形のうち,口蓋垂裂の頻度は3.43%,上顎切歯の異常の頻度は5.9%,舌強直症の頻度は24.3%であった。唇・顎・口蓋裂と口腔内微小奇形との関連性については,唇・顎・口蓋裂患児の母親193名における口腔内微小奇形の頻度を一般集団中の成人女性733名におけるそれと比較して検索した。その結果,患児の母親に見られた口蓋垂裂,上顎切歯の異常,舌強直症のいずれの頻度も,対照とした成人女性における頻度に比較して,同等もしくは低値を示し,唇・顎・口蓋裂との間に積極的な関連性を示唆する所見は認められなかった。
- 新潟歯学会の論文
- 1981-12-00
新潟歯学会 | 論文
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