サービス業就業者特化地域の形成 : 箱根町と熱海市の事例から
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概要
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本稿は,熱海と箱根を事例に,余暇関連サービス・地方型のサービス業就業者特化地域形成過程の特徴を明らかにした。事業所の集積と,就業者の集積の2つの側面に着目し,具体的には,温泉権の変遷や出稼者受入データを用いて分析した。旅館経営者層の性格,出稼者リクルートの実務を担っていた旅館組合の性格,出稼者受入データをあわせて考察を進めた。熱海と箱根を比較すると,温泉権に関わる旧慣が解体されて,サービス業就業者特化地域としての基盤が形成されていく時期には違いがみられた。熱海は1930年代で,箱根は1950年代であった。この時期の違いは,日本近代の社会構造の変化の特質と関連している面があると思われる。地域社会の構造的要因により,余暇関連サービス・地方型のサービス業就業者特化地域の形成過程には複数のパターンがあることを,本稿では明らかにした。
- 武蔵社会学会の論文
- 2006-03-22
武蔵社会学会 | 論文
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