“介護物理”の講義を受けた学生の介護に関する意識分析
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概要
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現代の日本は“超高齢化社会”と呼ばれ、介護・介助に関するリテラシーは不可欠でそれを避けて通れない状況がある。その中で一方的な思い込みだけの非科学的な介護が、思い掛けない苦痛や身体的な負担等々の悲劇につながりかねない。これからの時代はそうならないために、介助者と被介助者の両者が介護の動作の力学的意味を充分に知ることが重要と考えた。そこで、介護・介助と物理学的理解を結びつけた手法を確立することが必要であると考え、研究を始めている。 まず、筆者らの実践した“介護物理”の講義を受けた生徒が、どのような反応をして、介護に対してどのような意識を持ったかを調べ分析することにした。 分析した結果、学部・男女によって介護に対する捉え方や理解度が違うことが分かった。文系では原理に対する理解度は低いものの、介護に対して意欲的な学生が比較的多いことが分かった。理系では、原理に対する理解度が高く、理論的に捉える学生が多いということが分かった。また、全体的には介助に関して重要な科学的キーワードである“重心線”に対する理解度が低いということと、介護の経験が少なく、イメージのわかない学生が多いことも分かった。今後“介護物理”を研究していく上で、その準備段階として学生の反応を分析し、社会の実態に合った手法確立の手立ての一端を探ることができたことはとても有意義であった。本研究では、“介護物理”の必要性を広く伝えていくために、準備段階の研究を紹介することにした。
- 2012-03-31
著者
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