電波が遮蔽されるときのGPSとGLONASSの複合キネマティック測位の有効性
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概要
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船体の挙動計測にキネマティックGPSを用いれば、時刻、位置、速力の情報のほかに、Pitch(縦揺)、Yaw(船首揺)、Roll(横揺)、Heave(上下揺)、Sway(左右揺)、Surge(前後揺)の姿勢情報が得られるばかりでなく、潮汐などの情報も同時に得ることができる。これらの測定には、通常4本のアンテナが使われ、その上空には衛星からの電波を遮る構造物がないことが望ましい。しかし、船舶では、アンテナ設置付近に意外と構造物が多い。特に、漁船や小型船に設置するときには、アンテナの上空にケーブルやマストなどの構造物が多く、アンテナを設置する場所も困難な場合が多い。それ故、衛星からの電波が遮られることが頻発する。陸上のビルの谷間では衛星からの電波が遮られるため天頂付近にGPSの補間用として準天頂衛星を打ち上げることが日本で進められている。また、ロシアではGPSと同じような機能を有するGLONASSが打ち上げられており、GPSと併用することで衛星の数が増えることを利用し、電波の遮蔽構造物がある場合の測位回数の増加や測位精度など、複合測位に与える影響の研究がなされている。このGLONASS衛星は2012年には24機の衛星全部が打ち上げられる予定となっている。そこで、今回、現状での複合測位の精度の効果を把握するために、GPSとGLONASSの併用による複合キネマティック測位を行い、衛星からの電波が遮蔽されることに伴う測位の有効性について、電波のマスク仰角を設定して解析を行った。その結果、GLONASSを併用すると地平圏から設定したマスク仰角はGPSだけの測位のときより10°位高く、25°位でも測位精度を保っていることが分かった。
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