世界林産物貿易モデルの現状と課題
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概要
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本稿は、これまで開発・応用されてきた世界林産物貿易モデルを概観し、その問題点を明らかにすることにより、今後の世界林産物貿易モデルの発展方向を探ることを課題とする。世界林産物貿易モデルは、1960年代に利用された輸送モデルを、主に、その原型としている。 1980年代に入ると、林産物貿易モデルは、これまでの輸送モデルに替わり、林産物市場を考慮した空間均衡モデルヘと発展した。Adam et al.による TAMMは、空間均衡モデルを林産物市場の分析に応用した最初のモデルであり、Takayama and Judgeの空間均衡モデルに基づいている。その後、林産物貿易の自由化の進展を背景に、TAMMよりも広範囲の国と地域および林産物を扱うことが可能な世界林産物貿易モデルの必要性が高まり、世界で最初の世界林産物貿易モデルとして、Kallio et al.により GTMが開発され、さらに、 CGTMやEFI-GTMへと拡張された。そして、GTMを直接引き継いだモデルではないものの、様々な点でGTMと同じ構造を持つ、 GFPMが世界食糧機関(FAO)の委託により米国ウィスコンシン大学のJoseph Buongiorno教授らのグループにより開発された。現在、GFPMは最も利用されている世界林産物貿易モデルとなっている。本稿では以下、GTM、GFPMおよびWFPMについて詳細な検討を加えることにしたい。
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九州大学大学院農学研究院 | 論文
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