物質循環からみる耕畜連携営農集団の持続性に関する課題
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概要
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本稿は、中山間地域に位置する広島県庄原市一木(ヒトツギ)営農集団を事例として、耕畜連携を行っている営農集団の窒素循環分析を行い、その循環と環境負荷を考慮した持続的営農集団の課題について考察したものである。今回の分析により、営農集団の窒素循環およびその課題として、以下の点が明らかになった。(1)農地と畜産間の窒素循環には、まだまだ偏りが存在し、実際に系内を循環している窒素量は系外からの投入量に対して約7.2%(N循環率)である。窒素の循環は、単位圃場面積当り牛飼養頭数に大きく依存している可能性がある。(2)系外から流入する窒素のうち、85%は購入飼料が占め、飼料の系外依存度が高い。(3)圃場別の窒素投入量偏差が大きい。特に、牧草地の窒素投入量は308kg/haにのぼり、許容限界窒素量を超えている可能性がある。(4)以上の窒素循環解析を踏まえ、今後、放牧など飼料自給率の向上対策や圃場別の窒素投入量の管理対策が必要と考えられる。
- 東京農業大学農業経済学会の論文
- 2007-03-00
東京農業大学農業経済学会 | 論文
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