ブタ卵の成熟条件がMII期紡錘体の形態に及ぼす影響
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概要
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ブタ卵体外成熟(IVM)において細胞質成熟の不完全さが、マイクロチューブやマイクロフィラメントなどの形成に影響を及ぼし、前核形成や胚発生の異常を引き起こすことが知られている。そこで本研究では種々の成熟条件がブタ卵のMII期紡錘体の形態に及ぼす影響について解析を行う為、体内成熟及びIVM後のMII期卵を免疫化学的蛍光染色し、紡錘体の形態を観察した。得られた紡錘体像の長さ(μm)と面積(μm(2))を測定し、各成熟条件間の比較を行った。その結果、体外成熟卵の紡錘体長は体内成熟卵に比して、有意に小さかった(9.9±0.2 vs、11.6±0.59、P<0.01)。体外成熟時の卵丘細胞付着量が少ない卵の紡錘体面積は、付着量が多い卵のそれに比して、有意に小さかった(65.5±1.6 vs. 75.2±2.9、P<0.05)。体外成熟期間における卵のホルモン(eCG、hCG)への曝露時間の差は、紡錘体の形態に影響を及ぼさなかった。また、ホルモン無添加区の卵の紡錘体長・面積は共に、添加区と比較して有意に小さかっか(9.4±0.2 vs.10.5±0.2、P<0.01 ;64.1±2.4 vs.69.5±2.0、P<0.05)。これらのことから、ブタ卵の成熟条件はMII期紡錘体の形態に明らかな影響を及ぼし、不十分な条件で成熟した卵では紡錘体の長さ、面積が減少する傾向が示された。
- Japanese Society of Animal Reproductionの論文
- 2005-06-00
Japanese Society of Animal Reproduction | 論文
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