インスリン様成長因子Iはマウス子宮内膜間質細胞のDNA合成を促進する
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概要
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子宮における性ステロイドホルモンによる細胞増殖は、子宮において産生される成長因子によって仲介されると考えられている。本研究においては、子宮内膜で発現するインスリン様成長因子I (IGF-I)に着目し、マウス子宮内膜間質細胞のDNA合成に及ぼすIGF-Iの効果を調べた。21-23日齢の未成熟マウス子宮から子宮内膜間質細胞をトリプシン処理により単離し培養した。 R-PCR解析により、子宮内膜間質細胞にはIGF-ImRNA及びIGF-Iの1型受容体mRNAが発現していることがわかった。 IGF-ImRNAはesradiol-17β投与により増加した。 IGF-I投与は、用量依存的に子宮内膜間質細胞のDNA合成を促進した。このIGF-IによるDNA合成の促進作用は、チロシンキナーゼの阻害剤gensiein、MAPK系の阻害剤PD098059により阻害された。これらの結果よりマウス子宮内膜で産生されるIGF-Iは、子宮内膜間質細胞の増殖に関与すること並びに、子宮内膜間質細胞のIGF-IによるDNA合成の制御にはMAPK系が関与する可能性が示唆された。
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