マウスの卵子および発育段階の異なる胚における5種類の耐凍剤に対する透過性
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概要
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マウスの卵子および胚の耐凍剤透過性をしらべるために、MII期の卵子および1細胞期から拡大胚盤胞期の種々の発育段階にある胚を、25Cの5種類の耐凍剤液に浸した。 25分間の卵子・胚の断面積を測定することによって、相対的体積変化を調べて透過性を比較した。卵子においては、Propylene glycol(PG)液中で最も収縮が小さく回復は速く、透過が速かった。続いて、DMSO、Acea-mide(AA)、Ehylene glycol (EG)がやや遅れて透過した。これに対して、Glycerol (Gly)液中の卵子は大きく収縮したのち回復はわずかで、透過速度は極めて遅かった。1細胞期胚と2細胞期胚の体積変化は、卵子の体積変化と類似しており、受精前後で透過性の変化はみられなかった。しかし、8細胞期胚においては、PG以外の耐凍剤、特にGlyとAAの透過速度は増加した。さらに桑実胚では、GlyとEGの透過速度は、大きく増加した。特にEG液中では、収縮はごく僅かで、体積の回復は速く、極めて透過が速かった。このように、透過性は全体的に発育段階が進むと増加する傾向がみられたが、PG液中では、卵子や胚の体積変化は、いずれの発育段階でも変わらなかった。本実験の結果は、卵子・胚のステ-ジごとに適する耐凍剤と適する処理方法を設定するための有用な情報となるであろう。
- Japanese Society of Animal Reproductionの論文
- 2005-04-00
Japanese Society of Animal Reproduction | 論文
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