cDNAマイクロアレイによるウシ栄養膜細胞株(BT-1)の遺伝子発現プロファイル
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
栄養膜細胞の分化は着床や胎盤形成に必須であるが、多数の要因が複雑に関与しており、その過程は不明な点が多い。我々はウシ栄養膜細胞の分化と機能を明らかにするためin viroモデルであるウシ栄養膜細胞株(B-1)についてcDNAマイクロアレイ、R-PCRを用いて遺伝子発現プロファイルの解析を行った。B-1は胚盤胞から分離した栄養膜細胞をフィーダー細胞を用いない培養系で確立した細胞株であり、現在200代を超える継代を経ている。アレイ解析の結果、B-1では1773遺伝子中933遺伝子が生体の妊娠初期栄養膜および胎盤組織と比較して2倍以上の発現差を示した。これら933遺伝子についてk-means法によるクラスタリング解析を行い、各遺伝子を6クラスタ-に分配した。クラスタ-2は栄養膜細胞に特異的なPL、数種PAG遺伝子を含み、B-1および妊娠初期栄養膜細胞並びに胎盤組織において同様の発現動態であった。マウスの未分化細胞で検出されるOc-4はB-1および妊娠初期栄養膜細胞並びに胎盤組織で発現が確認された。B-1と妊娠初期栄養膜および胎盤組織との遺伝子発現プロファイルの比較から、B-1が妊娠初期栄養膜細胞で発現する特異遺伝子群を含むという特微かあることが明らかとなった。
- Japanese Society of Animal Reproductionの論文
- 2005-04-00
Japanese Society of Animal Reproduction | 論文
- 人工胎盤によるヤギ胎仔の灌流培養 (1994年度家畜繁殖学会シンポジウム)
- PZM-3あるいはウシ胎児血清を添加したPZMにおけるブタ単為発生胚および体外受精胚の発生
- Hatanoラットの生殖研究への応用 (特集 生殖研究モデルラット--疾患モデルラットホームページ掲載系統から)
- 黒毛和種供胚牛の分娩をはさんだ反復過剰排卵処理
- 黒毛和種の卵胞刺激ホルモンを用いた過剰排卵処理に対する供胚牛の産次の影響