卵細胞質注入法によるM期あるいはG1期に同期化した牛胎子繊維芽細胞由来再構築胚の核相の変化と初期発生
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概要
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本研究では、M期あるいはG1期に同期化した牛胎子繊維芽細胞を除核した卵子細胞質に注入して作製した再構築胚の核相の経時的変化およびその後の初期発生について検討した。再構築胚の活性化処理はドナ-細胞を注入後直ちに行った。M期の細胞による再構築胚では、注入後6時間目で48%の胚が極体様細胞を放出していた。15-19時間目では、54%の胚が1個の前核様核を形成していた。G1期の細胞による再構築胚では、注入後30分以内に88%の胚で早期染色体凝集が観察された。これらの胚では、染色体が一箇所に凝集した状態が注入後3時間目まで観察された。 15-19時間目では、83%の胚で1個の前核様核が観察された。胚盤胞までの発生率は、M期(16%)よりもG1期細胞(31%)で有意に高かった(P<0.05)。G1期細胞由来の胚盤胞を5頭の受卵牛に移植したところ3頭で妊娠が確認され、1頭が分娩まで発生した。以上の結果から、卵子細胞質に直接体細胞を注入する方法では、牛M期細胞由来再構築胚は約半数しか極体様細胞を放出することができず、G1期細胞を用いた方が再構築後の発生率が高いことが示された。
- Japanese Society of Animal Reproductionの論文
- 2005-04-00
Japanese Society of Animal Reproduction | 論文
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