哺乳類卵母細胞の体外発育
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概要
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哺乳類の卵巣中には発達段階の異なる多数の卵胞が存在し、それぞれの卵胞内には小さな卵母細胞が存在している。発育を未だ開始していない卵母細胞(ウシやブタでは直径30μm)のごく一部が発育を開始し、最終の大きさである120μmへと発育し、成熟し、排卵される。卵巣内の小さな卵母細胞を体外で発育させることができれば、家畜生産のための成熟卵の供給が可能となる。体外発育培養によって原始卵胞内の未発達なマウス卵母細胞を最終の大きさへと発育させ、完全な発生能力を獲得させることができる。大動物では、体外で発育させた卵母細胞から産仔が得られているのは現在のところウシに限られている。しかし、ウシにおいて用いられた卵母細胞は未発達な卵母細胞ではなく、初期胞状卵胞内の発育の途上にある直径90-99μmの卵母細胞である。より小さな卵母細胞の長期体外培養に替わる方法として、免疫不全のマウスヘの異種移植法がある。特定の大きさの小さな卵母細胞を体外培養あるいは異種移植法を用いて発育させることによって、哺乳類の複雑な卵巣中で起こる卵子形成や卵胞形成を制御する機構が明らかになると考えられる。
- Japanese Society of Animal Reproductionの論文
Japanese Society of Animal Reproduction | 論文
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