山岳地帯および都市における大気中粒子状物質
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概要
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山岳地域および都市における浮遊粒子状物質(SPM)の特徴を把握するため,唐松岳八方尾根および長野市においてSPMを1ヵ月ごとに測定し,その化学成分濃度,特に季節変化と組成と比較検討した.八方尾根におけるSPMの特徴として,SO4 2-濃度が春季~夏季に高くなる変化を示した.これはSO2の光化学反応により生成したSO4 2-が多量に輸送されてきたためである.Ca2+は黄砂により春季(4月,5月)に特異的に高濃度になった.元素状炭素(EC)濃度は年間を通じほぼ一定であったが,有機炭素(OC)は春季~夏季に濃度が高くなる季節変動を示した.長野市におけるSO4 2-濃度は春季~夏季に高くなる変化を示したが,山岳地域ほど顕著ではなかった.Ca2+濃度は春季以外に,道路粉じんの巻上げにより冬季においても増加した.八方尾根における成分別重量濃度はSO4 2-濃度が最も高く,長野市ではEC,OC,SO4 2-濃度が高く,いずれもSPM全量の10%以上あった.分析できた化学成分の総量のSPM全量に対する割合は,八方尾根で43%,長野市で68%であった.化学成分の一次粒子と二次粒子の割合は,八方尾根で59%,41%,長野市で66%,34%であり,山岳地域においては都市に比べ,二次粒子の寄与が大きいと推定される.
- 長野県衛生公害研究所の論文
- 1994-01-00
長野県衛生公害研究所 | 論文
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