精巣特異的ポリAポリメラーゼTPAPトランスジーンの野生型とTPAP欠損マウスでの発現
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概要
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われわれが同定した精巣特異的ポリAポリメラーゼPAP(PAPβ)は、球状精細胞細胞質での特定mRNAのポリA鎖伸長に関与している。その欠損マウスでは、精子形態形成に関わる半数体特異的遺伝子の転写活性が減少しているため、精子形成が球状精細胞の段階で停止していた。精子形成におけるPAPの機能をさらに明確にするために、PAPトランスジーンを野生型とPAP欠損マウスで発現させて解析を行った。PAP過剰発現マウスの精子形成と生殖能は、ともに正常であった。また、PAPの基質であるいくつかの転写因子のmRNAサイズも野生型と同じであった。PAP欠損マウスに外来のPAP遺伝子を導入することにより、特定の転写因子mRNAのポリA鎖伸長不全や半数体特異的遺伝子の転写量の減少は補われ、結果として正常な精子形成が回復した。これらの結果は、PAPによる細胞質でのmRNAポリA鎖伸長が精子形成に必須のプロセスであることを明確にしており、また細胞質でのmRNAポリA鎖伸長を厳密に制御する機構があることを示唆している。
- Japanese Society of Animal Reproductionの論文
- 2004-04-00
Japanese Society of Animal Reproduction | 論文
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