ドナーとレシピエントのラット系統は1細胞期卵から体外発育した桑実胚-胚盤胞の産仔発生に影響する
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概要
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ラット前核期卵のドナーにWisar系雌またはSD×DA系F1雌にWisar系雄を交配したもの、桑実胚-胚盤胞のレシピエントにWisar系雌またはSD×DA系F1雌を用い、体外培養胚の産仔発生能について比較した。前核期卵は310mOsmolのmR1ECM+BSA培地で18時間、246mOsmolのmR1ECM+PVA培地で78時間、の計96時間培養した。そして桑実胚-胚盤胞に発育したものを偽妊娠3日目および4日目のレシピエント子宮に移植し、17-18日後に帝王切開して産仔への発生率を調べた。前核期卵の桑実胚-胚盤胞への体外発生率は3元交雑種由来胚の方がWisar系由来胚に比べて有意に高かった(74% vs 66%)。Wisar系由来胚の産仔発生率は、Wisar系レシピエントに移植したときでは13-24%、SD×DA系レシピエントでは24%だった。一方、3元交雑種由来胚の産仔発生率は、Wisar系レシピエントよりもSD×DA系レシピエントに移植したときの方が高かった(31-34% vs 42-59%)。もっとも高い産仔発生率(59%)は5日目の3元交雑種由来胚を偽妊娠3日目のSD×DA系レシピエントの子宮環境に戻したときに得られた。以上、体外培養したラット卵子の産仔発生能はドナーおよびレシピエントに用いる系統によって影響された。
- Japanese Society of Animal Reproductionの論文
- 2004-04-00
Japanese Society of Animal Reproduction | 論文
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