コレステロール負荷によって発症したニワトリ胸部大動脈と冠状動脈における動脈硬化症
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概要
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動脈硬化症モデル動物としてのニワトリの有用性を検討する目的で、コレステロール添加飼料で飼育したニワトリにおける高コレステロール血症と胸部大動脈および冠状動脈における動脈硬化症の発症について調べた。1.0%のコレステロールを添加した飼料で飼育したヒナでは、高コレステロール血症が発症するとともに、胸部大動脈では泡沫細胞の集積を伴う内膜の肥厚が、冠状動脈では同様に、内膜の肥厚とそれに伴う血管内腔の狭窄が観察され、典型的な動脈硬化症が発症した。0.1%添加飼料では、高コレステロール血症は生じなかったが、胸部大動脈では泡沫細胞の軽度の蓄積が認められた。以上のように、飼料を介するニワトリへのコレステロールの負荷は、添加量に依存する高コレステロール血症と動脈硬化症を引き起こすことが明らかとなった。これらの結果は、高脂血症やそれに伴う動脈硬化症のモデル動物としてニワトリが有用であることを示唆している。
- 岡山大學農學部の論文
- 2004-02-00