ダイズシストセンチュウのふ化および密度に及ぼすアカクローバの効果
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概要
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ダイズシストセンチュウのトラップクロップとしてのアカクローバの有効性を評価するために、根浸出液のふ化促進効果、根内への幼虫の侵入および根内での成育、土壌中の線虫密度低減効果について調査した。アカクローバ根浸出液中でのふ化率は、寄主植物(ダイズ)根の浸出液中でのふ化率よりも低かったが、休耕土壌からの浸出液中や非寄主植物栽培土壌からの浸出液中、蒸留水中でのふ化率に比べると有意に高かった。ふ化した2期幼虫は、アカクローバの根に寄主(ダイズ)と同程度侵入したが、ごく少数が3期または4期幼虫に成育しただけで、成虫には至らなかった。アカクローバをダイズシストセンチュウ生息土壌に栽培すると、線虫密度はポット試験、枠圃場試験いずれにおいても無栽培(休閑)に比べて有意に低下した。これらのことから、アカクローバはダイズシストセンチュウのトラップクロップとして密度低減に利用できると考えられる。
- 日本線虫学会の論文
- 2002-12-00
日本線虫学会 | 論文
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